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重量鉄骨造とは

地震大国と言われている日本で注文住宅を建てる際には、耐震性は重要なポイントになります。木造よりは鉄骨造のほうが耐震性は高いことはなんとなくイメージできるでしょう。しかし、鉄骨造には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があり、どちらの構造で建てればよいのか気になるところです。ここでは重量鉄骨造とは、どんな構造なのか、重量鉄骨造で注文住宅を建てるメリット・デメリット、軽量鉄骨造との違いについてまとめて紹介します。

重量鉄骨造とは

建物の構造には、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」の4つの種類があります。なかでも鉄筋造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」に分かれています。重量鉄骨造とは、鋼材の厚みが6㎜以上のものを重量鉄骨造、6㎜未満であれば軽量鉄骨造です。重量鉄骨造は、3階建て以上のマンションや商業ビルなど大規模な建物に採用されている構造です。また、重量鉄骨造は、厚みのある鋼材が使われているので、軽量鉄骨造と比べると柱やはりが太く、強度も増しています。そのため、軽量鉄骨造より柱や梁の数を減らすことができ、広い空間の建設に多く採用されている構造です。

重量鉄骨造で注文住宅を建てるメリット

広い空間つくり広い空間づくり

重量鉄骨造のメリットは、なんと言っても設計の自由度の高さです。重量鉄骨造の建物は、柱とはりが一体化し、鉄筋を必要としない「ラーメン構造」と呼ばれている構造が採用されています。これにより柱や梁の数を減らすことができ、広い空間をつくることが可能になります。

防音性の高さ

住宅を建てる際、防音性は重要なポイントのひとつです。音の問題は、トラブルやストレスの元になりやすいポイント。子供の遊ぶ声や、ピアノなど楽器の音が原因で、隣近所とトラブルになる可能性もあります。また、室内であっても2階を歩く音などがストレスの原因になる可能性もあります。重量鉄骨造は鉄骨が厚い分、外壁、壁、床などが厚くなる分、防音性は木造や軽量鉄骨造より高くなります。

耐震性が高い

地震大国と言われている日本で注文住宅を建てる際に、耐震性は重要なポイントです。一時期よりは地震の回数も減ってはいますが、いつどこで地震が発生するかわかりません。注文住宅を建てる際には、しっかりとした備えをしておくことが重要です。重量鉄骨造は、軽量鉄骨造や木造より高い耐震性が確保できます。重量鉄骨は厚みある鉄骨を使っているので重量があり、地震の揺れを強く感じるかもしれませんが、倒壊のリスクは軽減できます。

シロアリなど害虫被害が少ない

デザイン性の高い家でも、虫が発生しやすい家には誰だって住みたくはありません。虫は自然に発生するので、ある程度はしかたはありませんが、建築構造によって虫の発生具合にも違いがあります。木造住宅の場合は木に卵を産み付けやすく、重量鉄骨造の家より快適な環境が整っていることで、どうしても虫が発生しやすくなります。しかし、重量鉄骨造の家であれば、木造と比べると虫の発生率が抑えられ、部屋を清潔に保っておけば、部屋の中で虫を発見することは、ほぼなくなります。

重量鉄骨造で注文住宅を建てるデメリット

建築コストが高い

重量鉄骨造のデメリットは、なんと言っても建築コストの高さです。まずは、建築資材の費用ですが、鉄骨の厚みが増せば、その分だけ材料費は高くなります。また、建築材料の厚みが増すと、それに比例して建物の重量も重くなり、地盤の補強工事が必要になります。

断熱性が低い

断熱性は、木造住宅と比べると低くなります。これは重量鉄骨造だけの話ではなく、軽量鉄骨造でも共通のデメリットになります。2つとも柱やはりに鉄骨が使われています。鉄は熱を伝わりやすく、外気の影響を受けることで、夏は暑く冬は寒い住宅になりがちです。鉄骨造の住宅を建てる際には、しっかりとした断熱材を選ぶ必要があります。

軽量鉄骨造との違い

軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いは、一般的には鋼材の厚みで分けられています。鋼材の厚みが6㎜未満の場合は、軽量鉄骨造で、6㎜以上が重量鉄骨造です。そのために、軽量鉄骨造と重量鉄骨造では、鋼材の強度が異なります。重量鉄骨造は、3階建て以上のマンションや商業ビルなどの大規模な建物に使われています。また、重量鉄骨造は、厚みのある鋼材が使われているので、軽量鉄骨造と比べると柱やはりが太く、強度も増しています。そのため、軽量鉄骨造より柱やはりの本数を減らすことができ、広い空間の建設にも使われます。一方、軽量鉄骨造では、一般住宅やコンビニ、スーパーマーケットなど小規模な建物の建設に使われます。