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木造住宅の建築工法の主流は、木造軸組工法とツーバイフォー工法の2つです。ここでは、耐震性や耐火性に優れていると言われているツーバイフォー(2×4)工法とは、どんな工法なのか、ツーバイフォー工法で注文住宅を建てるメリット・デメリット、ツーバイフォー工法と木造軸組工法との違いについてまとめて紹介しています。
ツーバイフォー工法は、建築基準法上では「枠組壁工法」と言います。名前のとおり、「2インチ×4インチ」の角材で組まれた枠組みにパネルをつけた面材で、床や壁、天井の6面を組み合わせで建物を支える工法です。一般的にツーバイフォー工法は面材からなる構造体が揺れなど外から加わる力を分散する造りとなっているため、耐震性に優れていると言われています。また、ツーバイフォー工法は、部材の種類が少なく、造りが簡素化されていることや、高度な技術もほとんどいらないことから、あらかじめ工場で加工や組み立てすることができ、工期の短縮ができます。
ツーバイフォー工法は、剛性の高い床板や壁板、天井板でつくられた6面体構造体が、地震で発生する横揺れを分散する造りとなっているため、耐震性に優れています。
ツーバイフォー工法は、各部屋の壁や天井の内側全面に厚さ12.5mm以上の石こうボードを貼ります。石こうボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があがると熱分解をおこし、約20分間水蒸気を発散します。これにより、火災が発生しても天井裏や壁の温度があがりにくく、構造材に燃え移るまでに時間がかかります。また、ツーバイフォー工法は、壁や床の接合部の角材の枠組みが、空気の流れを遮断し、酸素の供給を抑えることで、火の燃え広がりを防止します。
ツーバイフォー工法は、6面体構造で気密性が高く、優れた断熱効果があります。また、石こうボードが張られ、内部には断熱材が施されています。さらに、最上層の天井と1階の床内部にも断熱材を施して建物全体を断熱材がすっぽりと覆っていることで、断熱効果に優れています。
ツーバイフォー工法は、6面体構造で気密性が高く、優れた断熱効果があります。また、石こうボードが張られ、内部には断熱材が施されています。さらに、最上層の天井と1階の床内部にも断熱材を施して建物全体を断熱材がすっぽりと覆っていることで、断熱効果に優れています。
ツーバイフォー工法は、JAS規格に基づき水分率19%以下の乾燥材が使われています。また、床下の土壌には、あらかじめ防蟻剤を塗布した上で、地面に防湿シートを敷き込み、地盤から発生する水蒸気を遮断しています。さらに1階の床の立ち上げの木材には、腐食剤や防蟻剤の塗布など2重3重の対策がされています
ツーバイフォー工法は、屋根裏の構造がシンプルなため、屋根裏の空間を利用することができます。例えば、屋根裏の空間を収納スペースや屋根裏部屋などとして活用できます。
木造軸組工法は、柱やはりなど使う木材やサイズを変えることで、建築コストを調整することができます。一方、ツーバイフォー工法は、建築に使う部材はJASやJISの適合品を使うように建築基準法で定められています。これにより建築に使う部材のコストの調整が難しいデメリットがあります。
ツーバイフォー工法は、壁の数や壁の配置が構造上重要になつので、木造軸組工法よりも比較的大きな空間をつくることはできます。しかし、一方で開口幅などが制限さて、間取りの自由度が低くなります
ツーバイフォー工法は、気密性が高い反面、湿度が高い環境下にある場合や、雨漏りが発生した場合に、湿気が抜けにくく、カビの発生や木材の腐食につながる可能性があります。
日本の木造住宅は、主にツーバイフォー工法と木造軸組工法の2つの工法で建てられています。ツーバイフォー工法は、コンクリートの土台の上に、2インチ×4インチの角材で枠を組み、構造用面材を張ってつくられた剛性の高い板で、壁や床など6面で構造体をつくる工法です。一方木造軸組工法は、コンクリートの土台に柱を立て、はりなどを水平に渡し、筋かいという斜めの材を入れ補強しながら構造体をつくる工法です。つまり、どちらの工法も木は使いますが、建築の方法が異なります。